子供部屋

硝子のシューズは痛いだけ

覚悟

濱田君がひとりになった日

濱田君が確かに変わった日

私は一生、忘れることはないだろう。






大阪城ホール入場口へと向かう道、ぐるりと歩かされるスタンド席のチケットを持った女の子たち、

皆がみんな、わざとらしいほど普段通りにふるまおうとして余計に変な空気が漂っていたのを覚えている。





意味深なざわめきの中、開演

そこにいた自担は私の知っている彼ではなかった。

ピエロみたいだと思った。

わざと泣き顔を描いてその下で笑う悲しき者。

ついこの間まで冷たくて自分のファンとろくに目も合わせようともしなかったくせに、ヲタクのこと大嫌いだったよね。

ずっとずっと見つめてきたのに、こんなときになって初めて目が合って、笑いかけられた。

笑い返すしかなかった。

まるで何事も無かったかのように。

「大丈夫だよ」と励ましあって。

優しすぎる嘘を交わしあった。



ひとりになった途端、都合良すぎじゃない?

そんな気持ちよりも、彼のその「覚悟」が嬉しかった。

優しい阿呆の「濱ちゃん」として生きることを武器にすることで生き残ろうと切り替えた彼が。






それでも、今も昔の面影を追いかけてしまっているヲタクの戯言