個人担ですがなにか
祭のあと
デビューしてお祝いムードに浮かれる頭も落ち着いて気が付いた
やはりどうしても私は箱推しなんかじゃないということ
ジャニーズWESTであることで自担(と担当である私)が得られるもの、豪華な衣装、豊富な楽曲、質の高い現場、メディア露出
それらにはとても感謝している
他の6人のことも嫌いなわけではない
(こういう言い方は良くないと分かった上で)、「自担といるにふさわしい人達」という意味では愛していると言ってもいいだろう
それは単純にスキルだったり華だったり、周りに6人がいることで自担も引き立つからだ
それでも私は濱田君しか見ない。たとえ誰が目の前にいようと一番遠い自担を追う
横浜公演で濱田君の主演舞台の情報が解禁された瞬間、私は自らの広島公演のチケットを手放した
それは自分の満足のいくまで舞台に入りたいから、濱田君の為だけの濱田担の為の現場にお金を払いたいと思ったから
今回のツアーで本格的にユニット単位で曲を披露されて、自担が出ていない時間というものが生まれ、「ジュニア担」代の自分を思い出した
自担の出ていない時間の過ごし方が分からないということを
担当以外を見ていたら担当に怒られるというのが当たり前だったときの自分を
誰を見ればいいのか、立てばいいのか座っておいた方がいいのか
とりあえず普段振らないペンライトの電源を入れて光の一部になることでその時間をやり過ごした
かっこいいや可愛いなどという月並みな人並みの感想くらいは浮かんでもそれ以上の感情は浮かばなかった
しつこいようだけど、ジャニーズWESTが嫌いなわけではない
ジャニーズWESTだからこそ見られる自担があることには、与えられるものにも満足している
ただ私は濱田君が好きなだけなのである
いままでの記事が嘘のようになってしまったが、それはそのときの素直な気持ちだから否定はしない
けれども、気が付いてしまった、というだけなのである
覚悟
あの冬の話をしよう
私が同担を拒否する理由
「最強の10人」と呼ばれた男達
昔むかし関西の地にBBVと呼ばれた男達がいた。
ほとんどの人々は彼等を讃え、当の本人達も自らを信じ互いを信じ10人でてっぺんを獲ると誓った。
ほとんどの人々、は。
前年の2009年からその予兆はあった。
初めてお芝居としての松竹座という舞台を受け継いだ夏、メインキャストとされたのがこの10人だった。
この舞台のテーマソングとして生まれたのが「BIG GAME」である。
この曲がそれから約2年間の10人+7WEST(+その他)という構図が出来る大きなきっかけとなった。
しかし、同年の冬は前年と同じようにユニット別でコンサートが行われ10人という体制がそれほど強調されることは無かったように思う。10人で太鼓を披露することはあったけれど、そのくらいだ。
本格的にBBVと呼ばれ始めたのは、2010年の冬からである。
BBVは公式の呼び名だ。
冬の松竹座の日程が発表され、そこで初めて彼等はBBV(正確な表記はB.B.V.)と称された。
私はパソコン画面に映し出された表を見つめながらひとつのことだけを考えていた、
「BOYSはどうなるの」
ふたりになってふたりだけでやっていくことに薄々限界を感じていたものの、それでも「ふたり」が好きだった。ただふたりで、ふたりだけの世界で楽しくやってくれればそれで良かった。
ヲタクのエゴでしかないのは百も承知で、もう少しの間だけ生温い楽園で遊んでいたかった。
次に、3ユニットが合わさることでBOYS(そして濱田)が得られるメリットと発生するデメリットを天秤にかけた、半分半分だ。
序列が上の者たちと組むことは、じわじわと下げられつつあった自ユニにとってチャンスでもあったが、下の者たちと組むことは自分たちまでその位置まで落ちてしまう危険性があった。
それに、10人が10人全員同じ温度でアイドルという仕事への情熱を燃やしているようには見えなかったから。
最低かな。ごめんなさいね口が悪くて、でもこれが当時の私の本音。
ひとりひとりは好きだったけれど、それは別の括りだったから私には関係が無かったからよ。
だって自担にはデビューして欲しかったから、自ユニにはデビューして欲しかったから。どんな形になったとしてもデビューして欲しかったから。
「ふたりで」とは言わないから、ふたり一緒にデビューして欲しかった。
相方だからじゃない、一人のアイドルとして好きだった。
グッズだって同じだけあるよ、捨てられなくて残したまま。良い終わり方じゃなくても私にとっては大切な思い出だから。かけがえのないものだから。これだけは誰にも汚させない。
複雑な想いを抱きながら書き込んだ振込用紙、結果、悪魔のような倍率の中で2公演分のチケットを手に入れることが出来た。
優馬がゲスト出演した公演と10人だけの公演それぞれ一公演ずつだ。
ステージに立つB.A.D.はやっぱり華があって、それは10人で並ぶと余計に際立った。悔しかった。
そして、やはり数人のメンバーからは温度差が感じられ苛立つこともあった。
そんな複雑な想いを抱えているこちら側に比べ楽しそうにはしゃぐ自担を見ているのは複雑だった。
それでいいのか、こんな場所で満足するのか。ここにいても一番にはなれないし何処にも行けないのに。
まるで竜宮城だと思った、このままでは自担はこの場所で歳だけとってしまうと。
すぐ後に崩壊した城跡を見ながら、私は少し泣いて少しほっとした。